転職に対する考え方とエンジニアの事情を探ってみた

IT業界におけるジョブホッパー傾向と原因

ジョブホッパーとは転職を繰り返す人のことを指し、どちらかといえばネガティブな意味で使用されるケースが目立ちます。ただし公的に厳密な定義があるわけでなく、少なくとも20代で3回以上の転職経験者を指すというのが、一般的な傾向と言えます。他方でこの言葉の発祥地である英米圏では、優れたスキルや豊富な経験を持った人がより一層有利な条件を求めて、短期間のうちに転職を繰り返すケースで使用されことも、決して少なくありません。つまりジョブホッパーをネガティブに捉えてしまうのは、終身雇用が根強い日本ならではの現象とも言えるでしょう。

実はIT業界こそ、そんなジョブホッパーが最も目立つ業界の1つ。IT業界の転職者数を調べた厚生労働省のとある年度調査では、関連する事業所の約半数近くで、ITエンジニアをはじめとした転職者を数多く受け入れていることが判明しています。もちろんその中には転職を繰り返すジョブホッパーが多数含まれていることも、容易に想像できるはずです。

IT業界でジョブホッパーが目立つ主な原因として考えられるのが、技術革新が目まぐるしく進展する、業界特有の事情によるもの。すなわちエンジニアを含めこの業界に従事する多くの人は、常に新しい知識やスキル等の習得を求められているといっても、決して過言ではありません。

そのためには同じ職場にとどまらずに、自らの目的を達成できるような、新しい職場を探し求める必要性に迫られます。その結果として、転職を繰り返す傾向が高くなるのです。したがってジョブホッパーについても決してネガティブな理由だけとは限らず、IT業界においてはまた違った側面で考えてもいいかもしれません。

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